減感作療法とはその患者さんの持つアレルゲンに対しての感受性を低下させることによって症状の発現を抑える治療です。 すなわちアレルギーの物質を吸い込んだり、触ったりしても身体の方がそれに対するアレルギー反応をにぶらせる治療です。
- アレルギー性鼻炎(花粉症)・気管支喘息に対し実施されていますが、 アトピー性皮膚炎に対しても有効性が認められています。
- アレルゲン治療エキス(スギ花粉・ブタクサ花粉・ハウスダストなど)
アレルギーの原因物質(抗原)を定期的に注射して、体をならしていく治療法です。原因がはっきりしているアレルギー性の喘息や花粉症に対しておこなわれます。根治する可能性のある唯一の治療ですが、辛抱強く通院する必要があります。
ふつう、週に1~2回のペースで皮下注射します。最初は少量からはじめ徐々に濃度をあげていき、1年くらいかけて維持量まで増量していきます。その後は注射の間隔を少しずつあけていきます。最終的に治療が終わるまでには、1年半ヶ月から2年はみた方がよいでしょう。
※喘息や花粉症の治療は、ふつう飲み薬や外用薬でおこないます。しかし、対症療法ですので、病気そのものを治すことはできません。根治が期待される治療法として「減感作療法」があります。
※減感作療法は、アレルギーの原因物質(抗原・アレルゲン)が特定されなければなりません。
この他にも職業上特有のアレルゲンとして、材木の粉・そば粉・小麦粉などによっても
アレルギー性鼻炎を起こすことがあり、それらを職業性アレルギー性鼻炎と呼ぶこともあります。
- 週1回~2回通うことが物理的に難しいのですが、2週間に1回や、3週間に1回では効果がないのでしょうか?
- 2週間までであれば治療効果はほとんど変わりません。
3週間以上あくと反応が強く出て少し濃度を戻したりして、治療期間が長くなる傾向にあります。 - 費用の件ですが、1回700円程度ということで、歯科矯正のことを思えば通院期間を考えても非常に
リーズナブルだと思うのですが、実際治療にはいると、付加的な費用はどれくらいかかるのでしょうか? - 歯科矯正の様に、初期の矯正装置代金に値するようなものはありません。
付加的費用としては、治療期間内に外用薬・内用薬の希望等があった場合に値するかと思います。 また、気管支喘息などのように疾患の指導管理料が付加されることもあります。 - もし、途中で止めた場合やる前より状態が悪くなることはありますか?
- 状態がやる前より悪化するという報告はありません。
しかし、止めたとき少し症状が戻ることはあります。 - ステロイドなどの薬は使用しなくてすむのでしょうか?
- 症状の強さにもよりますが、減感作療法はもともとステロイドなどの治療薬を使用しなくてもよい体質に 持っていくのが目的の治療です。
- 短期減感作療法をやっていまして、また始めようかと思ってます。以前の病院ではスギしか
実施しておりませんでしたが、ダニやハウスダストもできるのはなぜですか? - 減感作治療は治療アレルゲンさえ入手できれば原則としてどんなアレルゲンに対しても可能です。
当クリニックでは日本国内では入手できないアレルゲンは海外より入手して治療に役立てております。
短期減感作療法に対しても、治療相談可能です。 - よく夜中に咳が出て苦しくなって横になって寝ることができません。季節の変わり目など蕁麻疹がでるし、
咳が出て苦しくなります。漢方などを煎じて飲んでますが、2週間で、効果が出てません。
気管支喘息などの検査はできるのでしょうか? - 気管支喘息の可能性が非常に高いと思います。アレルゲンの検査で気管支喘息のもととなっている アレルゲンをはっきりさせて、治療を進めて行くのが効果的だと思います。